KIBAN株式会社|保険代理店の外部経営管理本部
メディア掲載

ハ方式廃止が問う、保険代理店の「経営管理」

― 比較推奨規制13年の制度史を一次資料で検証。代表 花岡 慎の論考を保険毎日新聞で3回連載 ―

KIBAN株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:花岡 慎)は、代表取締役CEOで保険代理店経営学研究所 所長を務める花岡 慎の論考「ハ方式はなぜ生まれ、なぜ消えるのか―比較推奨規制にみる保険代理店の法的地位と行為規範の緊張―」が、保険毎日新聞に全3回の連載で掲載されたことをお知らせいたします。

比較推奨販売をめぐるルールは、2026年8月に改正内容が確定し、改正後の内閣府令・監督指針が2028年3月1日に施行・適用されます。これにより、代理店自身の経営方針等による商品絞り込みを認めてきた、いわゆる「ハ方式」は廃止されます。

本論考は、この改正を単なる募集ルールの変更としてではなく、保険代理店の法的地位と、顧客利益を起点とする行為規範との間にある緊張関係の帰結として捉えています。2013年の金融審議会から2026年の改正までの13年間を一次資料に基づいて検証し、この問題を保険代理店固有の経営管理の問題として位置付けました。

論考の主な論点

1.乗合代理店の法的地位と、顧客からの期待とのずれ

2013年の金融審議会では、乗合代理店は法的にはあくまで保険会社から委託を受ける立場と整理されました。一方で、顧客からは「複数の商品から自分に合ったものを選んでくれる存在」と期待されます。本論考では、このずれを、一人の代理店が複数の保険会社から委託を受けるという「マルチプリンシパル問題」の観点も用いて分析しています。

2.ハ方式は、制度創設時には「例外的ルール」ではなかった

2025年の国会審議では、質問者からハ方式を「非常に例外的なルール」と評する指摘がありました。しかし2013年当時の審議資料を確認すると、比較推奨型と代理店方針型は対等な選択肢として想定されており、ハ方式を時限的・暫定的な措置と位置付けた記述は確認できません。本論考では、現在から見た評価と、制度創設時の事実を区別して捉える必要があると指摘しています。

3.2026年改正は、代理店の「裁量余地」を縮小する制度転換

2014年の保険業法改正による体制整備義務の導入、その後の保険業界における不祥事による利益相反問題の顕在化、さらに金融サービス提供法2条による「顧客の最善の利益を勘案した誠実公正義務」の導入を経て、代理店に求められる行為規範は大きく変化しました。

ただし、金融サービス提供法2条によってハ方式が自動的に違法となったわけではありません。本論考では、不祥事によって問題が顕在化し、新たな行為規範が加わり、その結果として最終的に募集規制そのものが改められたという因果構造を整理しています。そのうえで今回の改正を、代理店自身の事情による商品選択に認められていた裁量の範囲を、実質的に縮小する制度転換と位置付けています。

問われるのは、募集手順ではなく「経営管理」

論考が最終的に提示するのは、次の問いです。

自らの判断基準を定め、その適切性を説明し、検証し、改善できる経営主体となれるか。

顧客意向の把握、比較・絞り込み基準の策定、運用の記録と検証、利益相反の管理は、一度整備すれば終わるものではありません。対外的な説明責任を伴う恒常的な経営管理機能です。とりわけ中小規模の乗合代理店では、こうした機能をすべて内部に保有するのか、一部を共同化・外部化するのかという「経営管理機能の調達設計」も、新たな経営課題になると指摘しています。

また、本論考では「代理店の自立」とは、保険会社との関係を断つことではないと整理しています。所属保険会社との関係を持ちながらも、自社として判断基準を定め、利益相反を管理し、募集実態を検証し、必要に応じて改善できる能力を持つこと。本論考では、そこにこれからの保険代理店の自立があると整理しています。

本論考は、保険代理店がこの13年間で、「保険会社の販売チャネル」という制度上の位置付けを残しながらも、より強い責任を負う経営主体へと変化してきたと捉えています。比較推奨規制の転換は、「経営管理そのものが競争優位となり得る」という命題を浮かび上がらせています。

掲載概要

媒体名:保険毎日新聞
論考名:「ハ方式はなぜ生まれ、なぜ消えるのか―比較推奨規制にみる保険代理店の法的地位と行為規範の緊張―」
執筆者:花岡 慎(KIBAN株式会社 代表取締役CEO/保険代理店経営学研究所 所長)
掲載日・各回見出し:
2026年10月2日(金)7面「13年WGでは『保険会社から委託された立場』と整理」
2026年10月5日(月)7面「制度創設時『例外的ルール』ではなかったハ方式」
2026年10月6日(火)5面「法的地位と行為規範を整合させる経営管理必要に」
上10月2日(金曜日)付 7面
保険毎日新聞 2026年10月2日(金曜日)付 7面 花岡 慎「ハ方式はなぜ生まれ、なぜ消えるのか」(上)紙面
第1章〜第2章
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中10月5日(月曜日)付 7面
保険毎日新聞 2026年10月5日(月曜日)付 7面 花岡 慎「ハ方式はなぜ生まれ、なぜ消えるのか」(中)紙面
第3章〜第6章
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下10月6日(火曜日)付 5面
保険毎日新聞 2026年10月6日(火曜日)付 5面 花岡 慎「ハ方式はなぜ生まれ、なぜ消えるのか」(下)紙面
第7章〜第8章
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出典:保険毎日新聞 2026年10月2日(金曜日)付 7面・10月5日(月曜日)付 7面・10月6日(火曜日)付 5面
保険毎日新聞社の許諾を得て転載しています。本紙面の無断転載・複製を禁じます。

論考の全文は、保険代理店経営学研究所のWebサイトに掲載しています。

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保険代理店経営学研究所について

保険代理店経営学研究所は、保険代理店を保険会社の販売チャネルとしてだけではなく、一つの経営主体として捉え、その経営を独立した研究対象として体系化し、実務に還元することを目的にKIBAN株式会社が設立した研究機関です。制度、組織、人材、経営管理、企業価値などの観点から研究・発信を行い、その知見をKIBANの「外部経営管理本部」サービスにも還元しています。

KIBAN株式会社について

KIBAN株式会社は、保険代理店に「外部の経営管理本部」を提供する経営支援会社です。経営企画・管理、人事・労務、法務・コンプライアンス、内部監査、財務、M&A・PMI、AI活用など、保険代理店の経営管理領域を横断的に支援しています。

会社名:KIBAN株式会社
代表者:代表取締役CEO 花岡 慎
所在地:東京都港区新橋1丁目12番9号 新橋プレイス7階
事業内容:保険代理店等に対する経営管理支援・コンサルティング