KIBAN株式会社|保険代理店の外部経営管理本部
コンプライアンス

保険代理店の体制整備義務とは
——保険業法294条の3をわかりやすく

「体制整備義務」という言葉、聞いたことはあっても正確に説明できる方は多くないのではないでしょうか。本コラムでは、保険代理店に課されたこの義務の中身を、法律の条文ベースでわかりやすく解説します。

体制整備義務の法的根拠

2016年5月施行の改正保険業法により、保険募集人(代理店)には保険業法第294条の3に基づく体制整備義務が課されました。条文の要点は「保険募集の業務に関し、重要事項の顧客への説明、顧客情報の適正な取扱い、その他の健全かつ適切な運営を確保するための措置を講じなければならない」というものです。

改正前は、募集管理の責任は主に保険会社側にありました。改正後は、代理店自身が募集品質に一次的な責任を負う主体として位置づけられた——これが最大の変化です。

具体的に何をすべきか

条文は抽象的ですが、監督指針や実務上の運用から、求められる措置は概ね次の領域に整理できます。

  • 社内規則の整備:募集に関する基本方針、コンプライアンス規程、個人情報取扱規程など。代理店の規模・業務特性に応じた内容であることが求められます。
  • 従業員への教育・管理・指導:募集人に対する定期的な教育の実施と、その記録の保存。
  • 顧客対応プロセスの管理:意向把握、情報提供、比較推奨販売のルールに沿った募集が行われる仕組み。
  • 記録の作成・保存:上記の実施状況を確認できる記録の整備。

ポイント:重要なのは「規模・特性に応じた」という考え方です。従業員2名程度の代理店に大手と同じ文書体系は求められていません。ただし「小規模だから何もしなくてよい」わけでもなく、自社の業務に見合った最低限の体制は必須です。

義務を果たさないとどうなるか

体制整備義務違反は、行政処分(業務改善命令、業務停止命令、登録取消し)の対象となり得ます。実際の処分事例では、募集管理の不備、教育の未実施、記録の不存在などが理由として挙げられています。

また直接の処分に至らなくても、保険会社の代理店点検で不備が続けば、委託契約の見直しや手数料ポイントへの影響という形で経営に影響します。

体制整備、どこまでやれば十分か。

義務の範囲は広く、線引きに迷いがちです。自社の現状で足りているかを、無料のセルフ診断で確認できます。

セルフ診断を試す

自己点検との関係

損保協会の自己点検は、この体制整備義務の履行状況を確認する実務上のツールという位置づけです。つまり自己点検への対応は、法律上の義務への対応そのものです。「協会がやれと言うから仕方なくやる」ではなく、自社の法的義務の確認機会と捉えると、取り組む意味が明確になります。

関連コラム:自己点検チェックそのものの概要は「保険代理店の自己点検とは?」で、証跡の残し方は「自己点検の証跡(エビデンス)の作り方」で詳しく解説しています。

Compliance Support

体制整備、どこまでできていますか?

「規程はあるが実態と合っていない」「教育や点検の記録が残せていない」——体制整備義務への対応にお悩みの代理店に向けて、KIBANは態勢整備の実務をサポートするサービスをご用意しています。まずは自社の対応状況を無料でチェックできる自己点検チェックからお試しください。

自己点検チェックを試す

個別のご相談も承ります。自社の管理態勢について相談したい方はこちら。

お問い合わせ
営業以外のことで、困っていませんか。体制整備・労務・財務・承継——なんでも、まず30分。オンライン・無理な勧誘はいたしません。相談日を選ぶ